WORLD'S END SUPERNOVA

WORLD'S END SUPERNOVA

ジャニーズのことはなんでも書きます、そして軽率に消します。ただの記録。

また明日も変わらぬ陽が昇るように

 

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たった16歳の男の子と永遠を誓った夏のはじめの話

眩しくて残酷な未来のアイドルの話

HiHi Jetsと、猪狩蒼弥くんの話。

 

臆病な私は、まだたったの16歳の男の子の夢を、一緒になって信じるなんてそうそう簡単にできる事じゃなくて、それでも覚悟決めて、やっとの思いで会いに行った。

忘れたくないので、忘れないうちに、残しておきます。

 

長らくデビュー組のオタクをしていた人間が、じわじわとしかし確実にJr.の沼に足を踏み入れ、今では掛け持ち上等のJr.担になったのは、確実に少年倶楽部という番組のおかげ(せい)だ。毎週見てた時もあれば見ない時期もあり、推しがいたりいなかったり、まあデビュー組の傍らで何となく見ていた。

Jr.なんか推さないと思っていた、というか、決めていた。辛いのが目に見えていたから。でもオタクというのはチョロい生き物だから、毎日が戦場の中でキラキラ輝いて笑顔でステージに立ち、振り落とされないように必死にしがみついて日に日に成長していく姿にすっかり目を奪われ、気づけば息をするようにPay-easyして情報局に入っていた。少クラというのはつくづく罪な番組だと思う。

せめてもの抵抗に、弟組は推さないと決めていた。だって年下じゃん、子どもじゃん、なんてのはわりと建前で、単純に怖かった。

今残っている兄組(という言い方ももはや薄れてきたが)の子達は、高校卒業だの成人だの大学卒業だの、そういう人生の岐路をもう幾分か乗り越えてきた人達で、振付ミスったくらいのかわいい失敗から笑えもしないスキャンダルまでまぁそれなりに、酸いも甘いも経験し、その上でジャニーズJr.という先の見えない世界に身を置くことを選んだ人達だ。そんな兄組でさえ、何があるか分からないのに、あんなまだ若い子達にこの先何が起こるか分かりやしない。本気で好きになって追いかけて、ある日忽然と姿を消したとき正気でいられる自信がなかった。大学へ行く子も随分増えてきた今、他の夢を見つける彼らの背中を押せる自信なんて無かった。スノスト(ラブ)トラをメインに見て、弟組は薄目でぼんやり見ていた。

 

なのに、そんな私の薄目をこじ開けて来やがった奴がいました。なんだか治安の悪い雰囲気で、そのくせ妙に色気のある子で、いかにもくせ者担当に当てられる様な衣装を着て、妙にこなれたラップを披露して、アイドルスマイルで特にこちらに媚びる様子もなく、まぁ俺こんなんですけど、どう?推す?みたいな小生意気な顔して去って行きました。

 

あんまりに衝撃的すぎて、速攻で調べた。

猪狩蒼弥くん、といった。


HiHiのこと、猪狩蒼弥くんのこと、ひと通り調べて、あぁなんか沼の予感がするなと思った。

猪狩蒼弥くん。クソ生意気なやつだと思っていたのに、妙に思慮深くて育ちの良さが隠しきれていなくて、オラオラ系かと思ったら意外とかわいいヤツ。だけどパフォーマンスになったらやっぱりヤバイやつで、法定速度ぶっちぎりで我が道を行くような、批判も丸ごと燃料にして飛んでいくような、とにかく強くて賢くて逞しいやつだった。猪狩蒼弥、よくない?HiHi、よくね?と思い始めた。ウワー、これはだめだ、さっさと逃げろ、と脳内が危険信号を出していた。

でもそういうときにはもう遅くて、今までそうやってどんどん推しを増やしてきたのに、あーあ、また増やしちゃったよ。困った。

私の周りには嵐担だのNEWS担だのセクゾ担だの、WEST担だのスト担だのすの担だの、とにかくいろんなオタクが居たけど、中高生の子達を推してるオタクはあんまりいなかった。


どうしようもないので、とりあえずネタとして猪狩蒼弥推してます(笑)こんなやついるんすよ(笑)みたいなテイで遠回しに布教してみることにした。こんなヤツいるよwwって紹介してついでに猪狩の話をしたい欲を満たしてみたりした。だけどやっぱり無理だった。知ってる、こういうときは、ヤバイと思ったらもう引き返せないのが世の常である。

悔しい。なんだかぶすくれた顔の子がいるな〜(失礼)くらいで見てたはずなのに、気がつけば我が物顔で自担の座に居座っていた。

 

それからはわりと吹っ切れて、HiHiいいよ〜猪狩蒼弥いいよ〜と全力でダイマして回った。

なんで猪狩?とか鼻で笑われることもあったけど、10年前大野智が好きだと言ったわたしに同じ顔をした人たちは山ほどいたし、そんなのもう慣れっこだし、かといって猪狩くんが私だけのものであるわけもなく、いざ現場に行けばファンサを勝ち取るのは戦争だった(どこに潜んでいた?猪狩担よ)。アイドルらしくないから好きなのかと言われることもあるし、たしかに一理ある、だけど最近じゃもう彼のやることなすこと全部輝いて見えて、なにをしていてもかわいくてかっこよくて、寝ても覚めても猪狩蒼弥、口を開けば猪狩蒼弥、好きな四字熟語は猪狩蒼弥、そんな毎日になった。大丈夫か?


この世に敵なんか居なさそうな顔をしていると思う。明るい未来しか見ないような強い目をしているなぁと、思う。

だけど、その一方で、ふと猪狩くんの、HiHi Jetsの未来を想像するとき、彼らの思い描く未来を垣間見るとき、なんだか、どうしようもなく切ない気持ちになる。

 


応援するからには、目指す道のあいだには当然デビューがあって、それはすべからく、この5人でのデビューであるべきで

未来永劫5人が5人でいられることが何よりの願いだけれど。

 

彼らが描く未来は、彼らがわたしたちに誓う永遠とやらは、まるで不確定で儚い。

Jr.である彼らの置かれている場所は、薄氷の上のように不安定で脆かった。

 

 

今年の1月、嵐が、活動休止発表をした。ファンになって、かれこれ十年が経っていた。

衝撃だった。永遠なんてないって分かっていたつもりだったけれど。

彼らはその後の会見やライブで、繰り返し、「休止であって解散じゃない」「まだまだ見せたい景色がある」そう言ってくれた。

それでも、アイドルは永遠じゃないという、ごくごく当たり前の、しかし目を背け続けていたことを理解するには、十分すぎる出来事だった。

 

比べるわけじゃない。積み重ねてきた年数も違えば状況もなにもかも違うけど、彼らですら、"永遠"を揺るがしたのに。

あんな若い男の子たちが言う永遠なんて、やっぱりちっとも信じられなかった。信じたくなかった。

毎週の少クラが生きがいで、Island TVでまだ歌声も知らない男の子にも興味が出てきて、今までほとんど目を向けなかったツアーバックの子達にもオペラグラスを向けるようになった。

でも、その彼が明日もいる保証なんてどこにもない。オタクは察しがいいから、少しずつ減っていく露出だったり、ステージで見せた違和感のある涙だったり、そういうもので、あぁ、そういうことなのか、なんて察しているけれど。公式からは「退所しました」の事後報告すらない場合がほとんどだ。辞めないでいてくれるだけで御の字なのだろうけど、先週まで一緒のお下がり衣装をきていた子達が今週じゃ違う衣装を着て全然違う立ち位置で踊っている、なんてことが平気で起こる。もう何年も、ずっと一緒にやってきたグループですら、ずっと同じメンバーでいられる保証などどこにもない(私は拒む方が辛いからもうとっくに受け入れてしまったけど、いくら雑誌を読み漁ったって、本当のことなんかひとつも知れやしない)。

ジャニーズJr.という場所において、彼らには、絶対のぜの字も永遠のえの字もクソもない。

当然望む未来は"このメンバーでのデビュー"だけれど、そんなこと、とてもじゃないけど大声で言えることじゃなかった。

 

 

猪狩くんを好きになって、先日、ようやく現場に足を運んだ。まだ5月のくせに馬鹿みたいに暑い日だった。3時間くらい前からずっとドキドキしてぼーっとしていて、暑さのせいなのか猪狩くんのせいなのかよく分からなかった。

ライブは、もう記憶なくなるくらい楽しくて、幸せで、ありがたいことに通路横だったから、ハイタはするわ質問コーナーで何回も横通るわでもうなんだか吐きそうだった。猪狩くんはわたしの思った通り、どこまでもぶっ飛んでいて、それでいてどこまでもアイドルだった。たった16歳の少年が、世界を焼き尽くすような強烈な光と熱を持ってしてそこに立っていた。あの瞬間、この世の中心は間違いなくあの日比谷の一角に存在していた。

 

あっという間の一時間半、猪狩くんが最後になにを言うか、さすがに知っていたし、覚悟もしていた。でも、やっぱり生で聞いたら全然だめだった。

 

猪狩くんは、舞台の幕が降りる最後に、必ず叫ぶ。


「皆さんこれからも俺たちについてきてくれますか!皆さんがついてきてくれたら、俺たちずーーっと5人でいれるんで!何年先も何十年先でもずーーっと5人でいるから!!だから何があっても一生ついてきて下さい!」

 

そう、毎回毎回、言霊みたいにいう。


呪いだ、と思った。

そんなこと言わないで欲しかった。Jr.は永遠じゃないって、物分かりのいいフリしてあげてるんだから。いいんだよ、たとえ明日君がジャニーズから姿を消したって、たとえ何年先の未来で、君と一緒にデビューするのがこの4人の誰とでもなくたって、わたしは君を責めることなんてできやしないのに。

 

それなのに、そんなオタクに喝を入れているようにすら思えたその叫びは、帰りの飛行機でも、JRでも、寝ても覚めても、頭から離れなくて。あぁもう完敗だ、そう思った。

 

わたしは、生身のアイドルの良さの一つを、ものすごく簡潔に言えば、諸行無常であるからこそのエモさだと思っていた。桜は散るから美しいとか、永遠でないと分かっているからこそ今が強く輝いて見える、そういう日本人お得意のそれだと思っていた。というか、今も思っている。

それはそれで正解なんだと思う。だってきっと、そういう商売だから。

だけど、あの日の猪狩くんの叫びは、そんなありきたりなエモさを享受するための餌になるなんてあまりに失礼なくらい、本気で5人の未来を、永遠を信じていた。

 

いつからだったんだろう、猪狩くんは、まるで何かを確信したかのように、「5人で」というようになった。

猪狩くんだけを好きでいられたら、まだ良かったのかもしれない。こんなに、いつか来るかもしれないその日を恐れなくて済んだかもしれない。単推しなら、この先何があろうと、万が一ジャニーズじゃなくなったとしても、猪狩くんが幸せになれば私も幸せだったかもしれない。でもそんなこと、誰よりも猪狩くんが許してくれなかった。

 

ずるいな、とおもった。

 

好きでいることに、すこしだけ絶望した。

 

銀座の、空港行きのバス停で、一人でちょっとだけ、泣いた。

 

 

先日の少クラでのエンディングで、HiHi JetsがOne Loveを歌った。前回4人で歌った時からたった一年半しか経っていないのに、顔つきも声もめちゃくちゃ成長していて、少年の成長ってつくづく恐ろしいなと思う。

 

冒頭のセリフは、

優斗「これからも皆さんのことを愛し続けます」
橋本「これからも愛し合っていきましょう」
猪狩「僕はもうあなた無しじゃ生きていけないみたいです」
作間「どんな時でもあなたの心に寄り添います」
瑞稀「ねぇ、好きになっていいかな?」

 

いやぁ、恋じゃん。と思った。100年先の愛を誓われてしまった。キモオタなので思わずにやけた。

そして、やっぱりまた少しだけ、怖くなった。

 

5人で、スタンドマイクを前にして歌う姿が、ちょっとだけ、ドームに5人で立つ嵐に重なって見えた。私はもうとっくにドームの景色を知っていて、彼らが私たちに見せたい景色があるように、私にだって、彼らに見せてあげたい景色が、山ほどある。  

 

あのわちゃわちゃした新衣装をみて、クリエのことをまた思い出した。

あの日、会場を見渡す彼らの瞳の中には、確かに未来があったこと、そのあまりの眩しさに、思わず目を背けたくなったこと、でもやっぱり、その未来を見せてほしいと思ったこと。

 

オーラス、「これからも俺たちと、馬鹿な夢見てくれますか?」って言ったんだってね。

馬鹿な夢だなんて猪狩くんに言われたら、もう馬鹿にすることもできないじゃん、本当にどこまでもずるくて、強い人間だと思う。

臆病なオタクでごめんね、人間、大人になるにつれてどんどん臆病になるんだよ。でももうとっくに沼にはまっていて抜け出せそうにもないから、日に日に好きになることの恐ろしさをお酒で誤魔化しながら、今日もまた彼らを好きになることを楽しんでみようかな、なんて思う。

猪狩くんと、みんなと、馬鹿な夢、みてもいいかなー

 

 

Jr.は、私がきちんと知っているここ数年だけでも、目まぐるしく環境が変わった。ほんの数分目を離したSNSを次に更新したときには、そこは私の知らない世界に変わっている、そういうことが往々にしてある。

生き残るために、それぞれの戦い方を選んでいると思う。彼らの決断を知るたびに少しずつ傷ついて、立ち直ったフリをして、うじうじと文句を言って、それでもとっくに前を向いている彼らに気づくたび、どうしたってまた好きになってしまうな。

 

申し訳ないことに、Jr.だけでも沢山のグループを応援していて、でもデビューできるのは一握りだということもわかっている。たとえ次に彼らの夢が叶わなかったとしても、わたしは夢を叶えた別のグループの元へ駆けつけて「おめでとう」を言うんだと思う。浮気性でごめん。

 

それでも、私はHiHiとの夢を少しも諦められない。オタクはつくづく貪欲で、我儘で、諦めが悪い生き物なので。

 

だってもうハイハイ!って言っちゃったんだから仕方ない。

明日のことなんかひとつも知らないくせに、遠い未来を信じて疑わない、猪狩蒼弥という人間と、彼が愛してやまないHiHi Jetsに

あの馬鹿みたいに蒸し暑い日のクリエで、一生ついていくだなんて、馬鹿な約束をしてしまったんだから。

 

 

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「最後に。これからも俺たちのこと、ずーーっと愛してくれますか!」

 

答えなんて一つしかないくせにね、