WORLD'S END SUPERNOVA

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ジャニーズのことはなんでも書きます、そして軽率に消します。ただの記録。

巨像と蟻

猪狩蒼弥くんという人間と自己肯定の話、愛の話。
約1年に渡って書き足したログみたいなもの。
いつに何を書いたのか、まるでめちゃくちゃです。


18歳の誕生日のはなむけになんか、到底出来やしないけれど、彼がまだ解釈の余地にあふれた、やわくて脆い少年であるうちに、どうか勝手に解釈させて下さい。



・Fenceとは、何だったのか。猪狩蒼弥にとってのラップって、何

・「言葉は武器」という言葉

・私はラップについてまるで造詣が深くないけれど、ラップというのはやはり小綺麗なものなんかじゃなくて、世界への反骨精神だったり、己の弱さに鞭を打って奮い立たせるものだったり、そういう泥臭くて人間くさいものだと思っている

・思っているだけなので全然正解ではないと思うけれど……

・蒼弥はおそらく昔から言葉を操るのが好きで、ラップに興味をもったのは別に不自然なことではない

・けど、やっぱりそれだけでなくて、反骨精神というか、言葉を「武器に」しようと思った瞬間がきっとあったはずなんだよな

・私にとっての蒼弥は、「自己肯定感が高いようでいて実はそうでもない子、自信があるように見せるのが上手い子」


・だって、蒼弥って、謙虚だ。

・ジャニーズJr.の登竜門ともいえるJr.大賞、「恋人にしたい部門一位をとること」は、ある種のデビュー条件になりつつある

・それを取れればこっちのもんというか、とにかくJr.なら、声を大にして言わずとも取りたいのが当たり前のものだ、なのに蒼弥は、あろうことか、2018年のJr.大賞で「恋人にしたい部門は優斗に票を集めて欲しい」と言った

・ショックだった。別に1位になりたいです!って言わなくてもいい、というか言わない子の方が多い。それは遠慮であったり、まだまだ早いっていう気持ちだったり、保身であったり、いろいろだとは思うけれど、それにしても「他の人に入れてくれ」なんて。

・いや、ね。言いたいことはすごく、分かる。

HiHi Jetsを好きな人達で票割れして誰もランクインしないくらいなら、他の人はどうであれせめて自分は、一番票の入りそうな優斗に票数を明け渡し、優斗の一位を目指す。スノストもいたから、そっちの方がよっぽど現実的で、叶いそうな夢だったから。

・分かるよ、分かる。し、蒼弥のそういう物分りの良くて大人な所が、好きだ。

・だけど、その一言に、たった16歳(インタビュー当時は15歳かもしれない)の少年の、諦めにも似た、残酷なまでの現実主義をみて、悲しくて虚しくて、どうしようもない気持ちになった


・現実主義の猪狩くんだけれど、ロマンチストなところも大いに、大いにある。

・猪狩くんは、メンバーの誰よりも「5人」に拘る

・すっかりお馴染みになった猪狩くんの挨拶

・「みんながついてきてくれたら、俺たちずっと5人でいれるから!だからこれからも、ずっと付いてきてくれますか?!」とか「これからも俺たちと馬鹿な夢みてくれますか!」とか

・それは一見、プロポーズみたいな美しい約束だけれど、内実はじわじわと肉体を蝕む麻薬、決して解くことの出来ない甘やかな呪い、だ

・ジャニーズという世界を少なからず見てきた私たちは、彼らの言う「ずっと」がちっともずっとじゃないことを知っているし、永遠みたいな輝きだっていとも簡単に弾けて消えてしまうことを知っている。

・分かってるんだよ。ずっとなんてない。ずっといるって思ってた人、どんどんいなくなったよ。あんなにしっかり手を繋いでいたのに、次に会いに行く頃にはもうその手は他の人の手を握ってた。それでも私はジャニーズが好きだし、何度傷ついたって何度泣いたって、懲りずにまたジャニーズを好きになる。

・いいんだよ、約束なんてテキトーでいい。ずっとじゃなくてもずっとって言って、キラキラ笑ってくれればいい。遠くない未来、それが嘘になった日、世界一美しかったその嘘を許すことだけが、私に示すことの出来る唯一の愛だ。

・「信じるキミがついたウソなら そっとココロにしまうよ」

・それなのに猪狩くんは、まるで私たちがそうやって諦めを抱きながら笑っているのも知ってるみたいに、信じろって、訴えるみたいに、「ずっと5人」って言う。馬鹿な夢だって分かってるくせに言うし、それに対して「ハイハイ!」ってコーレスさせる。

・もう二度と傷つきたくないから、信じたくなんかないのに、心から信じて愛したくなんかないのに、そんなこと許してくれやしない。

・愛は残酷だから、本当は愛したくなんかない。愛っぽい何かをあげて、愛っぽい何かが欲しい。なのに猪狩くんは、ほんものをくれようとしていて、そうしたら私だって、ほんものをあげるしかないじゃん


・ROT。三人体制だった時期のインタビューが流れた。瑞稀も優斗も、「涼ちゃんと作間に帰ってきてほしいかどうか」の話とは別に、2人が戻ってこなかったときのことをもの凄く冷静に考えていて、十年も涼ちゃんと一緒にいた瑞稀でさえ「一人になる可能性を考えた」と言っていた

・蒼弥は「戻ってこないなら俺も辞める」「五人じゃなきゃ意味が無い」の立場だった。やっぱりいつだって、そうなのか。

・誰よりも頭が良くて冷静に見える蒼弥だけど、綺麗事、夢物語、そういうことをいうのはいつだって蒼弥なんだよ。

・現実主義の蒼弥と、ロマンチストの蒼弥。猪狩蒼弥って、どっちが本当なんだろうな

・でも、現実主義って、盾だと思う。本当の蒼弥は多分どこまでもロマンチストで、それでもきちんと現実が見えてしまうほどには、蒼弥は賢い

・蒼弥は賢いから、自分をきちんと外側から見ることができている。必要以上に自分を卑下することもないし、かといってオタクがいくらヨイショしても、必要以上に持ち上げられてはくれない。


・蒼弥の言葉は剣であり盾なので、隙がないし、文句なんか言わせねえぞという圧がめちゃくちゃにあるけど、逆に他人に褒められると急にタジタジしはじめて、照れて何にも言えなくなるところ、世界一可愛い。

・蒼弥のグループへの執着はやっぱり異常だ。誰よりも冷めていそうなくせに誰よりも強くてドロドロしている。

・猪狩蒼弥はHiHi Jetsと心中すると思う。

・蒼弥はここは自分じゃない、を分かっている。

・作間くんが入ってくれたことを誰より喜んでいるのは言うまでもなく蒼弥で、それはやっぱり蒼弥が振付や構成を考える上で軸になっているのが作間くんだからだ。「作ちゃんが正しい振り付け、作ちゃんがベース」の発言とか、大事な所で作間センターにするところとか

・智(元担)は控えめに見えるけどここは自分だ、というところが分かっていて、蒼弥はここは自分じゃない、を分かっている。まぁオタクからすればそこもお前なんだ……になりがちだよ。

・蒼弥は自分がジャニーズ系のジャニーズ(?)ではないことを知っているし、だったらラップを、だったら生意気なキャラを、だったら頭良いキャラを、みたいな、俺は俺、を貫いているけれど、それは自己防衛なのかな、とか思ったりもする。

・この先もっと表舞台に出ていった時に、「あいつジャニーズらしくないな」って言われる前に、先手を打ってらしくないことをしに行ったように見えてしまったり、して


・それでも、「自分が好き」なのは決して嘘ではないと思う。

・猪狩くんがあくまで健全で健康でいて、自分を必要なだけ愛して生きているのは、間違いなく両親にきちんと愛されてきたからだと思う。自分がジャニーズであるということは置いておいて、人間としての自己肯定感は高い。

・私がクリエで見た蒼弥は、「らしくないけど勝算のある道」と本来自分が描いていたジャニーズ像との間で彷徨っている期間のちょうど終わりくらいだったのかな、と思う


・2年前くらいの蒼弥は自己肯定感を意図的に低くしておくことで自己肯定のハードルを下げて、逆説的に自己肯定感を得ていたように思えた。だけど急激に増えた周りからの評価によって、自己肯定感が飽和して、ハードルを上げても良いと思えるようになって、それがFenceなのだと思った。

・あの夏からもう一年、まだ一年

・蒼弥がまた作詞をした。この話をするとまた別の記事になってしまう。

・当たり前に、みんなが「猪狩、すごい」って言うようになってきた。嬉しい。


・Klaxonはたぶん、三人のときだからこそ出てきた言葉だ

・ENTERTAINERがバチバチのバチすぎて、泣く子も黙ってしまった。

・だけど、Fenceとは違った。去年の夏は、Fenceに圧倒されて刺されて殴られて撃たれて死んじゃったけど、いや今年も死にはしたけど、もっと穏やかで深くて柔らかい愛に沈んでいくような死に方だった。

・(どういうこと?)

・それは単純に、蒼弥に生まれた余裕なのかもしれない。彼の余裕が、私たちにも余裕を持たせてくれているのかもしれない。


・なんだろう。Fenceは素晴らしい作品なのは大前提だけど、もっと、荒削りで、痛々しくて、鋭かった。でも、KlaxonやENTERTAINERは、そういう強さや鋭さを失わないまま、そこに柔らかさやラフさがあった。

・やっぱり「余裕」があって、作品としてものすごく、ますます美しかった。

・今の蒼弥にとって、「言葉」は剣でも盾でもないのかもしれない。もうそんな武装をしなくても、彼は彼を認めて、正しく愛することができるのだと思う。今の蒼弥の「言葉」は、彼の全身を静かに穏やかに巡る血液であり、時に彼の美しさを際立たせる煌びやかなアクセサリーみたいだ。公演ごとに装飾をマイナーチェンジする様は、彼が自由自在に言葉を操る姿を彷彿とさせた。

・好きなものの1位「自分」

・以前の蒼弥が言う「俺は俺」とか「自分が好き」みたいな発言と、今の蒼弥が言うのではまるで違う。今の蒼弥は、心から自分を信頼していて、自信があって、足元がしっかりしていて、蒼弥が「自分が好き」ということがものすごく穏やかなことに思える。

・「自分も好きになれない自分なんて、誰が好きになってくれるんだい?」だなんて、愛しちゃうよ、そんなの

・私の愛するCLAMPの作品『20面相におねがい!!』のセリフかと思った。蒼弥、読んだ?

・「人に自分を好きになってもらうには、まず自分が自分を好きにならなくちゃ。誰だって自分の嫌いなものを好きな人にあげたりはしません。だから自分でも嫌いな自分を、誰かに好きになってほしいというのは、無理な相談ですよ」みたいな

・うろ覚えすぎ ごめんなさい

・蒼弥がこれからも大いに悩んで、そして大いに自分を愛してくれることを願っている。

・世間の評価と自己肯定感との間に架けた橋の上で、アンバランスさを楽しむみたいに、のらりくらりと踊るように歩きながら、時たま、どこか翳りのある目を見せてほしい。これはオタクのエゴだけど、これだって、ほんとうの愛です

・これからも私は飽きもせず、蒼弥のことを解釈するし、蒼弥がそれを良しとしなくても、この世に掃いて捨てるほどにある解釈こそが、蒼弥が「idol」という道を選んだ証拠だと思うから。



猪狩蒼弥くん、18歳の誕生日おめでとうございます。貴方のすべての夢が、叶いますように。