WORLD'S END SUPERNOVA

WORLD'S END SUPERNOVA

ジャニーズのことはなんでも書きます、そして軽率に消します。ただの記録。

愛していると言ってくれ


猪狩蒼弥くん、20歳の誕生日おめでとうございます。君が生まれたこの日を、神も仏も総出で祝福していろよと思うけれど、今日の東京は台風が接近する中の生憎の天気だし、せっかくのハレの日が休演日という虚しさに包まれながら、それでも家族が大好きな蒼弥のことだから願ったり叶ったりかなと思いつつ、一人でケーキを買った。


私事だが、東京に来て2年半が経った。上京したのは22歳の時。ありがちな現代人の典型に外れることなく鬱病になり、小さい頃から勉強も習い事もそこそこ頑張ってコツコツ積み上げた成果や、そこそこの高給取りになれそうな明るい将来への階段を自分の手でぶっ壊したのは、20歳の時だった。

すり減っていく精神に見ないふりをしてアイドルというシャブに漬かり、 朝起きたはいいけれど指一本動かせずに時計が進んでいくのをぼんやりと眺めて、布団の中で近所の公園の夕焼け小焼けのチャイムを聞くだけの日々。

何もかもがどうでも良くなり、毎日寝腐ってクソみたいな仕事をしたりしなかったり、酒飲んで死んだように寝てまた起きて酒飲んだりしながらせっせと金を貯めて、あの子やその子に会いにひたすら東京に通った日々。

21歳の初夏。初めて蒼弥に会いに行った日。あの日から私の魂の半分はずっと日比谷にあって、それを取り戻すために私はまたここに来なければならないと本気で思ったこと。

22歳。お金を貯めてなんとか今後生きていくための道筋を工面して上京した。人生の目標もハードルも親の期待も何もかもなくなった人生はあまりにしょうもなくて、こんなに早く成功者レースからリタイアすることになるなんてと笑いが漏れた。それでも推しに会えればよかった。
よかったけど、推しにすら会えない日々が始まった。


推しのいない東京をひたすら見つめるだけの日々だった。東京は汚い。ゴミだらけの繁華街を目に痛いほどの明かりで覆い隠した街。東京は夢を叶える為の場所ではなく、夢が叶わなかった事に気付かずに居られる場所だ、と言ったのは何のドラマだったか。東京は煩い。東京は臭い。東京は汚い。それでも東京は私みたいな人間に優しかった。はみ出しものの面下げてひっそり上京してきた私の自意識が恥ずかしくなるくらい、クソみたいでしょうもない人間が堂々とのさばっていた。私はそれにどうしようもない愛おしさを覚えたし、私自身もまた許されていると思った。東京に来てよかった。でも、やっぱり蒼弥に会いたかった。


蒼弥にはコンサートで会いたかったけど、東京にいるとそういう意味ではなく「会おう」とするオタクが沢山いるんだなあということを、まあ知っていたけど、改めて知った。ひょんな事で所謂「動いている」オタクの界隈と知り合い、〇〇駅の〇〇口で入り待ちするグループLINEあるんだけど入らない?〇〇のオタクとかは割と治安いいし人足りてないから入れると思うよ、などと誘われた。3秒迷って断った。こんな私になってまで君に会いたくなかった。


私は、アイドルの猪狩蒼弥が好きだ。
君が道端で唾を吐き捨てていたって、どこそこの地下アイドルと遊んでいたって、それを誰にも見せずにアイドルでいてくれればそれでいい。私だって電車で赤ちゃんが泣き叫んでいたらすぐ睨んじゃうし列に並んでて横入りされたら舌打ちするしこの前は泥酔して階段から落ちたし、彼氏がいるのにいないフリしたりもっとここに書けないことだってしたよ。それでも蒼弥の前では純粋でキラキラしてて可愛い女の子でいたいよ。君のこと全部許すから、どうしようもない私のことも許して欲しいよ


次にアイドルの蒼弥に会えたのは2021年の夏だった。この頃から蒼弥はやたらとライブで「愛している」と言うようになった。


"愛は残酷だから、本当は愛したくなんかない。愛っぽい何かをあげて、愛っぽい何かが欲しい。なのに猪狩くんは、ほんものをくれようとしていて、そうしたら私だって、ほんものをあげるしかないじゃん"


2年前に書いた私の危惧がそっくりそのままやってきた。よくあるありふれたファンサービスの言葉だけど、蒼弥がいう愛してるは、会場にいる全ての人、そして猪狩蒼弥を好きでいるこの世の人間たちの漏れなく一人一人を「愛している」のだと思った。怖かった。


私は蒼弥が好きだし、蒼弥に全ての夢を叶えて欲しいけど、幸せになって欲しいなんて軽々しく言えない。芸能人としての彼を私が欲しがれば欲しがるほど、彼に夢や希望を託すほど、一人の人間としての彼の自由は奪われていくのだし、節操もなく彼の一挙手一投足を消費して生きてる私が、幸せになって欲しいっていうなんてちゃんちゃらおかしい。芸能界なんて地獄だということは私のような一般人にも容易に想像がつく。需要があるから存在している人気商売のタレントにとって、地獄を容認しているのも、ましてや作り出しているのも私たちファンだ。私が蒼弥を好きでいることは、地獄を地獄と知りながら、その背中を押し続けることに他ならない。やっぱり、好きでいることは愛じゃないのかもしれない。


それでも、蒼弥が愛してるっていうから、私も蒼弥を愛したいと思った。15歳の君に目を奪われて、16歳の君と永遠を約束させられた私は、19歳の君を愛したくなってしまった。


"こいつらのためなら死ねるって思える4人です。"

最近、「蒼弥長生きして」などというふざけたうちわを持っている。蒼弥が生き続けてくれるだけで長期的に確定ファンサになるというお得なうちわである。しかしながら大真面目である。
死なないで欲しい。いっそ、こいつらが居なくなっても最後まで俺はステージに立ち続けるとでも言って欲しい。アイドルを応援する形は様々あるけれど、私はアイドルに活力をもらって自分も頑張るというよりも、私の人生はもうどうにもならないからせめて君だけは望みを叶えて欲しい、私の分まで持って行って欲しい、というスタンスで生きている。私には見ることの出来ない景色を代わりに見て欲しい。私は蒼弥を通して、私には見ることの出来なかったはずの未来を見たい。誰よりも長く強く派手に、それでいてただただ健やかに、生き続けて欲しい。


25歳。結局今日まで、あのシアタークリエに再び赴くことはついぞなかった。だから多分、私の魂の半分はまだ日比谷の街を彷徨っている。でもそれでいい。返してくれなくていいから、できればずっと蒼弥が持っていて欲しい。


今日の東京は雨でした。今日も東京は大量のゴミを吐き出して人間に馬鹿でかい夢を見せて光っている。汚くて煩い街。人間のしょうもなさを上手く誤魔化すための街。それでもね、蒼弥が今日も東京で生きているというだけで、この街も少しか綺麗に見えるよ。君が電車に乗るから私は今日も全線の安全を祈るし、君が出歩くから今日も東京でテロや無差別殺戮が起こらないことを祈っている。君がどっかで見ているかもしれないから、電車で赤ちゃんが大泣きしていても睨みつけたりしないし、横入りされても舌打ちしないし、ポイ捨てもしないし歩きタバコもしない。道端で小学生がぶつかってきたとしても平気なフリできる。蒼弥が生きている東京はほんの少しだけ澄んでいて、ほんの少しだけ息がしやすい。


君の名前を大声で呼べる日が、もうすぐ来るだろうか。笑っていてほしい。君が世界一幸せでいられる場所がステージであるならばどんなに嬉しいだろうか。そして、そのステージは、気丈に振る舞う君が泣ける場所でもあってほしい。



20歳になって大人になった気になんかならなくていいよ、君はまだうら若くて、痛々しいほどに青い少年のままでいて



毎年いまかいまかと待ち続けて、時計の針が重なった瞬間に蒼弥の誕生日を祝いたい気もするけれど、仕事にかまけているうちにうっかり一日過ぎてしまって、「あれ、てか幾つになったっけ?」なんて話が出来る日がいつか来てほしい。君の誕生日を今年も祝えるということ、それが忘れてしまうほどに当たり前になった日、それは他でもない、蒼弥お得意の「永遠」に触れた瞬間なのだと思う。



bgm:YUMEGIWA LAST BOY/スーパーカー

まだ幕は降りない


「宇宙Sixなめんなよ!」

口癖みたいに言っていた。


なめんなよ、ってことは、なめられている、という事だった。

ずっと同じ気持ちでした。いつもいつも。
彼らのために動いてくれた人々が少なからずいた事、それを私は分かっているつもりだったけど、それでも、なんでいつも、って思っていた。

それでも、宇宙Sixはちっとも可哀想なんかじゃなかった。だって、亮ちゃんがいたから。


ありきたりな言葉だけど、太陽みたいな人でした。華がある、ともまた少し違う気がするけど、彼がいるだけで周りの温度が3度くらい上がるような人でした。そして、ステージに立つために生まれてきたかのような人でした。
小さくて、丸くて、おバカで、可愛くて、かっこよくて、うるさくて、良く飛んで跳ねて回って、強くて、美しくて、眩しくて、

目が、離せなかった。


嵐のバックで、江田ちゃんとシンメでちっちゃくて分かりやすかったのもあるけど、いつもいつも真っ先に見つけるのは亮ちゃんだった。私の一番はやっぱり嘉孝だったけど、舞台で嘉孝のおいしいシーンをうっかり見逃すくらいには、どうしたっていつも目を奪われた。

一人また一人と居なくなる中で、それでも変わらず「そこ」に居続ける亮ちゃんを見るたびに、ああ、なんにも変わらないんだって、宇宙Sixはちっとも可哀想なんかじゃないんだって、そう思えた。彼らが「可哀想」になりそうなとき、いつもいつも欲しい言葉をくれたのは亮ちゃんだった。

そして何より、人を愛するひとだった。
私は林くんのことも目黒くんのこともちっとも恨んでいないけど、やっぱりそんなにすぐ前を向ける人ばかりではなかった。
だけど亮ちゃんはすぐブログで2人の話するし、のべつに林くんが見学にきたらカテコでステージに上げたし、宇宙の動画でめぐに電話するし、宇宙Sixポーズやろうって言うし、なんならTheyでも動画を撮った。

それを良しとしない人も中にはいたかもしれないけど、自分の人生で一度でも仲間だったひとたちのことを、いつまでもずっと愛し続ける亮ちゃんが大好きだった。


形が変わっても、宇宙Sixはずっと宇宙Sixだった。
この人がいる限り、宇宙Sixは「宇宙Sixする」のだと、そう思えた。



先にも言ったように、事務所にはあんまり、愛されなかった。それでも、初めましての人たちとお仕事をする度に、びっくりするくらいの愛を抱えて帰ってくる人たちでした。
共演者の方々にも、初めて宇宙Sixを見た人にも、絶対に絶対に愛されて帰ってきた。
オリジナル曲だって全然当たり前じゃなくて、彼らが自力で掴み取ったものだった。


そして馬鹿みたいなスケジュールで舞台をこなしても、単独公演がほとんどなくても、メンバーが30代に突入しても、彼らはずっと「アイドル」でした。

ジャニーズJr.が一つのブランドになって、ただ歌って踊ってキラキラしてるだけじゃ駄目な世界になって、いろんなグループがいろんな武器を身につけていって、「ジャニーズっぽくない」が世間では褒め言葉みたいに使われ始めていた中で、宇宙Sixは正統派ドストレートのジャニーズのアイドルだった。

みんながみんな、グループのことを考えていた。正直ソロになったってもう十分食ってけるメンバーもいたし、グループに縛られる方がマイナスなのではと思う瞬間もあった。
私はそもそもが「はらめぐ」のオタクだから、目黒くんが抜けるって分かったとき、正直嘉孝が幸せならもう何でもいいよって、思ったりもした。

それでも彼らはずっと、宇宙Sixというアイドルであり続けた。
宇宙Sixでいることを、何度も何度も何度も選び続けてきた。



大ヒットの瞬間はなかったかもしれないけれど、一度掴んだものを決して離さず、次に繋げるという、エンターテインメントのお手本をずっとひたむきにしてきたひとたちでした。

素晴らしかったよ。
亮ちゃんに、江田ちゃんに、幸大くんに、嘉孝に、憧れてジャニーズに入る子、尊敬する先輩に名前をあげる子はなかなかいないかもしれないけど、それでも、特に兄組や舞台班、高校無所、高卒無所の子たちにとっては、少なからず希望だったと思う。私はといえば、一番好きなアイドルをきかれて宇宙Sixですって答えられるほど彼らを信じてこれなかったことを、今更になって悔しくなったりしている。都合のいいオタクだったけどそれでもやっぱり大好きだったよ。



「君と見上げる青い空が
ずっと僕らを繋げてくれてるから」

純粋に良い歌詞だなあって思った。分かりやすく綺麗でいかにもな歌詞だけど、生きていれば、みんながステージに立ち続ければ、みんなを好きでいれば、ずっとこの先何回でもまた会える日が来るのだと、そう思わせてくれた。デビューは無理だろうなーとかいろいろいつも諦めて、私は嫌なオタクだったけど、それでも宇宙Six大好きだなーって思い続けられた。



宇宙Sixで居続けてくれてありがとう。たくさん宇宙Sixしてくれてありがとう。宇宙Sixさせてくれてありがとう。幸せにしてくれてありがとう。お疲れ様でした。






この人がいる限り、宇宙Sixは「宇宙Sixする」のだと、そう思えた。
だからこそ、亮ちゃんがいなくなるときこそ、宇宙Sixが宇宙Sixしなくなるときだった。


許せないなってやっぱり思った。


それでも許したくなってしまうのはもう、君の一種の才能だし、君がくれた愛がほんものだったことの何よりの証拠なんだよなぁ、




生きてください。亮ちゃんが何度も立ち上がる姿を、遠くからだけど、ずっと見ていました。だからまた見せてよ、その足でその腕で、這い上がってきてよ。


広い宇宙で、亮ちゃんがはぐれないように、みんなで灯りをともして待っているから。

亮ちゃんがいつもくれた約束が、「明日」が、また来ますように、どうか。






"死なない
まだ幕は、降りない"

巨像と蟻

猪狩蒼弥くんという人間と自己肯定の話、愛の話。
約1年に渡って書き足したログみたいなもの。
いつに何を書いたのか、まるでめちゃくちゃです。


18歳の誕生日のはなむけになんか、到底出来やしないけれど、彼がまだ解釈の余地にあふれた、やわくて脆い少年であるうちに、どうか勝手に解釈させて下さい。



・Fenceとは、何だったのか。猪狩蒼弥にとってのラップって、何

・「言葉は武器」という言葉

・私はラップについてまるで造詣が深くないけれど、ラップというのはやはり小綺麗なものなんかじゃなくて、世界への反骨精神だったり、己の弱さに鞭を打って奮い立たせるものだったり、そういう泥臭くて人間くさいものだと思っている

・思っているだけなので全然正解ではないと思うけれど……

・蒼弥はおそらく昔から言葉を操るのが好きで、ラップに興味をもったのは別に不自然なことではない

・けど、やっぱりそれだけでなくて、反骨精神というか、言葉を「武器に」しようと思った瞬間がきっとあったはずなんだよな

・私にとっての蒼弥は、「自己肯定感が高いようでいて実はそうでもない子、自信があるように見せるのが上手い子」


・だって、蒼弥って、謙虚だ。

・ジャニーズJr.の登竜門ともいえるJr.大賞、「恋人にしたい部門一位をとること」は、ある種のデビュー条件になりつつある

・それを取れればこっちのもんというか、とにかくJr.なら、声を大にして言わずとも取りたいのが当たり前のものだ、なのに蒼弥は、あろうことか、2018年のJr.大賞で「恋人にしたい部門は優斗に票を集めて欲しい」と言った

・ショックだった。別に1位になりたいです!って言わなくてもいい、というか言わない子の方が多い。それは遠慮であったり、まだまだ早いっていう気持ちだったり、保身であったり、いろいろだとは思うけれど、それにしても「他の人に入れてくれ」なんて。

・いや、ね。言いたいことはすごく、分かる。

HiHi Jetsを好きな人達で票割れして誰もランクインしないくらいなら、他の人はどうであれせめて自分は、一番票の入りそうな優斗に票数を明け渡し、優斗の一位を目指す。スノストもいたから、そっちの方がよっぽど現実的で、叶いそうな夢だったから。

・分かるよ、分かる。し、蒼弥のそういう物分りの良くて大人な所が、好きだ。

・だけど、その一言に、たった16歳(インタビュー当時は15歳かもしれない)の少年の、諦めにも似た、残酷なまでの現実主義をみて、悲しくて虚しくて、どうしようもない気持ちになった


・現実主義の猪狩くんだけれど、ロマンチストなところも大いに、大いにある。

・猪狩くんは、メンバーの誰よりも「5人」に拘る

・すっかりお馴染みになった猪狩くんの挨拶

・「みんながついてきてくれたら、俺たちずっと5人でいれるから!だからこれからも、ずっと付いてきてくれますか?!」とか「これからも俺たちと馬鹿な夢みてくれますか!」とか

・それは一見、プロポーズみたいな美しい約束だけれど、内実はじわじわと肉体を蝕む麻薬、決して解くことの出来ない甘やかな呪い、だ

・ジャニーズという世界を少なからず見てきた私たちは、彼らの言う「ずっと」がちっともずっとじゃないことを知っているし、永遠みたいな輝きだっていとも簡単に弾けて消えてしまうことを知っている。

・分かってるんだよ。ずっとなんてない。ずっといるって思ってた人、どんどんいなくなったよ。あんなにしっかり手を繋いでいたのに、次に会いに行く頃にはもうその手は他の人の手を握ってた。それでも私はジャニーズが好きだし、何度傷ついたって何度泣いたって、懲りずにまたジャニーズを好きになる。

・いいんだよ、約束なんてテキトーでいい。ずっとじゃなくてもずっとって言って、キラキラ笑ってくれればいい。遠くない未来、それが嘘になった日、世界一美しかったその嘘を許すことだけが、私に示すことの出来る唯一の愛だ。

・「信じるキミがついたウソなら そっとココロにしまうよ」

・それなのに猪狩くんは、まるで私たちがそうやって諦めを抱きながら笑っているのも知ってるみたいに、信じろって、訴えるみたいに、「ずっと5人」って言う。馬鹿な夢だって分かってるくせに言うし、それに対して「ハイハイ!」ってコーレスさせる。

・もう二度と傷つきたくないから、信じたくなんかないのに、心から信じて愛したくなんかないのに、そんなこと許してくれやしない。

・愛は残酷だから、本当は愛したくなんかない。愛っぽい何かをあげて、愛っぽい何かが欲しい。なのに猪狩くんは、ほんものをくれようとしていて、そうしたら私だって、ほんものをあげるしかないじゃん


・ROT。三人体制だった時期のインタビューが流れた。瑞稀も優斗も、「涼ちゃんと作間に帰ってきてほしいかどうか」の話とは別に、2人が戻ってこなかったときのことをもの凄く冷静に考えていて、十年も涼ちゃんと一緒にいた瑞稀でさえ「一人になる可能性を考えた」と言っていた

・蒼弥は「戻ってこないなら俺も辞める」「五人じゃなきゃ意味が無い」の立場だった。やっぱりいつだって、そうなのか。

・誰よりも頭が良くて冷静に見える蒼弥だけど、綺麗事、夢物語、そういうことをいうのはいつだって蒼弥なんだよ。

・現実主義の蒼弥と、ロマンチストの蒼弥。猪狩蒼弥って、どっちが本当なんだろうな

・でも、現実主義って、盾だと思う。本当の蒼弥は多分どこまでもロマンチストで、それでもきちんと現実が見えてしまうほどには、蒼弥は賢い

・蒼弥は賢いから、自分をきちんと外側から見ることができている。必要以上に自分を卑下することもないし、かといってオタクがいくらヨイショしても、必要以上に持ち上げられてはくれない。


・蒼弥の言葉は剣であり盾なので、隙がないし、文句なんか言わせねえぞという圧がめちゃくちゃにあるけど、逆に他人に褒められると急にタジタジしはじめて、照れて何にも言えなくなるところ、世界一可愛い。

・蒼弥のグループへの執着はやっぱり異常だ。誰よりも冷めていそうなくせに誰よりも強くてドロドロしている。

・猪狩蒼弥はHiHi Jetsと心中すると思う。

・蒼弥はここは自分じゃない、を分かっている。

・作間くんが入ってくれたことを誰より喜んでいるのは言うまでもなく蒼弥で、それはやっぱり蒼弥が振付や構成を考える上で軸になっているのが作間くんだからだ。「作ちゃんが正しい振り付け、作ちゃんがベース」の発言とか、大事な所で作間センターにするところとか

・智(元担)は控えめに見えるけどここは自分だ、というところが分かっていて、蒼弥はここは自分じゃない、を分かっている。まぁオタクからすればそこもお前なんだ……になりがちだよ。

・蒼弥は自分がジャニーズ系のジャニーズ(?)ではないことを知っているし、だったらラップを、だったら生意気なキャラを、だったら頭良いキャラを、みたいな、俺は俺、を貫いているけれど、それは自己防衛なのかな、とか思ったりもする。

・この先もっと表舞台に出ていった時に、「あいつジャニーズらしくないな」って言われる前に、先手を打ってらしくないことをしに行ったように見えてしまったり、して


・それでも、「自分が好き」なのは決して嘘ではないと思う。

・猪狩くんがあくまで健全で健康でいて、自分を必要なだけ愛して生きているのは、間違いなく両親にきちんと愛されてきたからだと思う。自分がジャニーズであるということは置いておいて、人間としての自己肯定感は高い。

・私がクリエで見た蒼弥は、「らしくないけど勝算のある道」と本来自分が描いていたジャニーズ像との間で彷徨っている期間のちょうど終わりくらいだったのかな、と思う


・2年前くらいの蒼弥は自己肯定感を意図的に低くしておくことで自己肯定のハードルを下げて、逆説的に自己肯定感を得ていたように思えた。だけど急激に増えた周りからの評価によって、自己肯定感が飽和して、ハードルを上げても良いと思えるようになって、それがFenceなのだと思った。

・あの夏からもう一年、まだ一年

・蒼弥がまた作詞をした。この話をするとまた別の記事になってしまう。

・当たり前に、みんなが「猪狩、すごい」って言うようになってきた。嬉しい。


・Klaxonはたぶん、三人のときだからこそ出てきた言葉だ

・ENTERTAINERがバチバチのバチすぎて、泣く子も黙ってしまった。

・だけど、Fenceとは違った。去年の夏は、Fenceに圧倒されて刺されて殴られて撃たれて死んじゃったけど、いや今年も死にはしたけど、もっと穏やかで深くて柔らかい愛に沈んでいくような死に方だった。

・(どういうこと?)

・それは単純に、蒼弥に生まれた余裕なのかもしれない。彼の余裕が、私たちにも余裕を持たせてくれているのかもしれない。


・なんだろう。Fenceは素晴らしい作品なのは大前提だけど、もっと、荒削りで、痛々しくて、鋭かった。でも、KlaxonやENTERTAINERは、そういう強さや鋭さを失わないまま、そこに柔らかさやラフさがあった。

・やっぱり「余裕」があって、作品としてものすごく、ますます美しかった。

・今の蒼弥にとって、「言葉」は剣でも盾でもないのかもしれない。もうそんな武装をしなくても、彼は彼を認めて、正しく愛することができるのだと思う。今の蒼弥の「言葉」は、彼の全身を静かに穏やかに巡る血液であり、時に彼の美しさを際立たせる煌びやかなアクセサリーみたいだ。公演ごとに装飾をマイナーチェンジする様は、彼が自由自在に言葉を操る姿を彷彿とさせた。

・好きなものの1位「自分」

・以前の蒼弥が言う「俺は俺」とか「自分が好き」みたいな発言と、今の蒼弥が言うのではまるで違う。今の蒼弥は、心から自分を信頼していて、自信があって、足元がしっかりしていて、蒼弥が「自分が好き」ということがものすごく穏やかなことに思える。

・「自分も好きになれない自分なんて、誰が好きになってくれるんだい?」だなんて、愛しちゃうよ、そんなの

・私の愛するCLAMPの作品『20面相におねがい!!』のセリフかと思った。蒼弥、読んだ?

・「人に自分を好きになってもらうには、まず自分が自分を好きにならなくちゃ。誰だって自分の嫌いなものを好きな人にあげたりはしません。だから自分でも嫌いな自分を、誰かに好きになってほしいというのは、無理な相談ですよ」みたいな

・うろ覚えすぎ ごめんなさい

・蒼弥がこれからも大いに悩んで、そして大いに自分を愛してくれることを願っている。

・世間の評価と自己肯定感との間に架けた橋の上で、アンバランスさを楽しむみたいに、のらりくらりと踊るように歩きながら、時たま、どこか翳りのある目を見せてほしい。これはオタクのエゴだけど、これだって、ほんとうの愛です

・これからも私は飽きもせず、蒼弥のことを解釈するし、蒼弥がそれを良しとしなくても、この世に掃いて捨てるほどにある解釈こそが、蒼弥が「idol」という道を選んだ証拠だと思うから。



猪狩蒼弥くん、18歳の誕生日おめでとうございます。貴方のすべての夢が、叶いますように。

いつかどこかで見つけた夢を


原嘉孝くんと、目黒蓮くんの話。


何度も何度も書き直しては眠らせた下書きを、目黒くんのデビューへの餞に、ひとまず何とか形にしました(いい加減腐りそうなので)。

初めて書いたのは去年の春で、もうその時の文章は残っていないけど、呪いのような文章だったな、と思う。


私は、はらめぐを忘れないことが、はらめぐが良かったって思い続けることが、オタクにできる唯一のことだと思ったりしていた。それが嘉孝にとって救いになればいいと思っていた。でもそうじゃなかった、し、それは失礼なことなのかなと、今はそう思う。
思い出にしたいとかそんな綺麗な感情じゃないし、わたしはやっぱり「はらめぐが好きだ」と死ぬまで言い続ける気がするけれど、それでも、どうにか成仏したから、このブログは遺灰とでも思ってください。



2019年1月17日。

Snow Manに、3人のメンバーが加入するとの知らせ。

衝撃。「嫌だ」とか「やめてくれ」とかですらなくて、何言ってんのかわからなくて、思考停止したというか、正直意味がわからなかった。何?

混乱しかない一方で冷静な自分もいた。あけおめの関ジュ号泣事件と、のべつの目黒「声の出演」のこと、目黒の唐突な「僕は滝沢くんについていく」宣言のこと。あぁ、こういうことだったのかと。点と点が繋がった感覚だった。


はらめぐの話をすると意気込んでおいてなんだけれど、この頃の私の心配事やら何やらの半分は、康二のことでした。供養しそびれたブログ、ツイート、腐るほどあります。

けど、なにわの結成があって、龍太くんの卒業があったから、康二の加入に対してはまだほんのちょっとだけ前向きでした。全然納得はしてなかったし、6人のSnow Manだってそれなりにというか結構、大事だったけど、康二がアイドルとして生きる道があるのなら、ステージの上で生きる道があるのなら、藁にも縋る思いだったから。

でも目黒くんは違う。話が違う。
だって彼には、グループがあった。


るたこじのことを想う人達がTwitterに溢れている一方で、目黒蓮の隣にも相方がいたのにな、と思っていた。原嘉孝くん。入所以来ずっと一緒の目黒の相方。2人まとめて、はらめぐっていうんですけども。

嘉孝は、なんて言うかとにかく、あんな顔して可愛いひとだった。才能に溢れているのになかなかにメンタルが弱くて、目黒の強さに引き上げられているようなひとだった。昔の目黒がよく難しい顔して踊ってた横で、めちゃくちゃイイ顔して踊ってるひとだった。

目黒はいつも結構ツンツンしてたけど、嘉孝はと言うと、踊ってる目黒がかっこよくて舞台袖で泣いたり、目黒の舞台を観劇しに行って、目黒が出てきた瞬間に感極まって泣いて結果5回も号泣したり、ふまじゅりと飯行ったときにも目黒がかっこいい話してたり、とにかく目黒のことが大好きなひとだった。



はらめぐがいつからはらめぐとして認識されていたのか正確には分からないけれど、私が彼らを明確にシンメだと思ったのは2016年、

2人は風磨のサマパラに出ていた。ここのところたまに目黒がバラエティで出す、しんじゅりとかと一緒の、海の写真のやつ

MCで、このとき健人との雪解け直前くらいの時期だった風磨が、はらめぐのことを「羨ましい」と言った夏。

てらはらとかつぐめぐとかもあったけど、サマパラの頃には多分、みんなの共通認識として、はらめぐがいた気がします。

ふたりが宇宙Sixとして初めて世に出たのは、嵐のあゆはぴ初日、札幌。本当にたまたまだったけど、宇宙Six誕生の瞬間に私は立ち会っていた。なんだその名前wwwと思ったら、見覚えありすぎるメンツで、ぜいのファンとか寺西、森継のファンからしたらハ?!って感じだっただろうけど。その日はらめぐは、この先もきっとずっと一緒だという、緩やかな約束を貰った。


同じ日にこの世界に入って、無所時代を一緒に過ごして、いつからかシンメになって、ぜいの後ろについて、宇宙Sixになって。宇宙は途中から5人になって、目黒はセンターになったからシンメではなくなったけど、はらめぐは、唯一無二の"パートナー"だった。ずっと一緒だった。ずっと一緒だと思ってた。
でもそうじゃなかった


目黒の、というか三人の加入が発表されて真っ先にブログの更新が回ってきたのは、Snow Manの誰でもなく、嘉孝だった。


1/20。嘉孝の6chu。

分かったことは、とにかくまだ何一つとして説明できることがないという事だけだった。

「今後どんな活動をしていくかは、メンバーとたくさん話し合う」「スタッフさんとも打ち合わせを重ねる」

全部がこれからの事だった。

それなのに、翌日の翔太くんのすの日常では、6人で話し合って決めたと書いてあった。大吾のブログでも、「初めて聞いたときは驚いた」というようなことが書いてあった。あぁ、みんなにとっては、過去形なのか。それなのに、宇宙はなにも知らなかったのか。分かるよ、デビュー路線じゃないし、ファンの数も比べ物にならない。私だって掛け持ちだし。扱いの差なんかいつも目に見えてた。それでも、せめて嘉孝には、話をできなかったのか。

口止めされていたの?それとも本人すら兼任だと知らなかった?脱退だと思っていたのだとしたら尚更話をするはずでは?分からない、なにも。当たり前だ、嘉孝に分からないことが私に分かる訳がない。


「ライブだって5人揃って必ずやるから」
「おれは目黒を信じる」

信じるってなに、嘉孝が信じる目黒って何?


「だって兼任なんだもん」

もんって何。子どもじゃないんだから。駄々っ子じゃないんだから。嘉孝は、賢い人だから。嘉孝がどんな思いでこの文章を打ったのか、考えてたら泣けてきた。兼任なんて上手くいった試しないって誰もが知っていた。それでも、兼任だから、って、まるで自分に言い聞かせるみたいだった。


目黒が宇宙を捨てたなんて言葉もTwitterで目にした。そんな言い方しなくてもって思ったけど、否定は出来なかった。

はらめぐに、宇宙Sixに、仲良しこよしを求めていたわけじゃない。それに大前提として、今回の加入は間違いなく目黒にとって出世であり、英断だ。そんなことは分かっています

でも離れるなんて考えたこともなかった。それはきっと目黒にとっても同じはずで、それなのに、こんなにもあっさり嘉孝の手を離した目黒が、どうにも、どうしても、信じられなかった。


2/5。目黒の6chuが更新された。
スノ担の友達から、「ちょっと目黒無理かも笑」って言われて、飛んで見に行った。なるほど確かに、これはフォローのしようもないな。なんてやけに冷静に思った。

案の定、読んだ一部の(というよりも大多数だったかも知れない)オタクが目黒のことをこれでもかというくらいに叩いた。悔しかった。私も正直、なんだよこれって思った。それでも、悔しかった。違うんだ、目黒ってほんとはこんなんじゃない、そうじゃないんだっていいたかった。でも、うまく言えなかった。


私はたぶん目黒に、納得できなくてもいいよって、怒ってもいいよって言ってほしかったんだとおもう。でも目黒はそんな言葉をくれなくて、びっくりするほど強いことばかり言っていて、とっくのとうに前を向いていた。大して知りもしないくせに、私の知らない目黒がいると思った。


尻拭いをするみたいに、更新日でもなんでもない日に、江田ちゃんのブログが更新された。ふっかも、「言い方が下手な人も中にはいる。」なんて、あからさまに目黒のフォローに回っていた。
また、Twitterが荒れた。もう見ていられなかった。



それからいくつか雑誌が出た。
ニュアンスだけど、嘉孝は、「兼任発表の日は一日中泣いた。その後何日間かは何もできなかった」というようなことを言っていた。

江田ちゃんは、「オレらが目黒を横アリに連れて行きたかったし、アイツが経験する初めては宇宙Sixで経験してほしかった」と言った。

悔しかった。でもやはり、何も言えなかった。
何か言えば言うほど、宇宙Sixが惨めで可哀想なグループになりそうだった。私の感情は多分、怒りであり、不信であって、決して同情を煽りたい訳ではなかった。
それに宇宙の話をできる人は周りに全然いなかった。でも康二の話はいくらでもできた。とりあえずいまは、はらめぐのことを考えるのをやめようと思った。



9人のYouTubeが始まった。受け入れるもんか、とか思ったりもしてたけど、あっという間に距離が縮まっていく9人を見ていたら、好きになるのを止める方が難しかった。人間、立ち直れるように出来てるんだな、なんて、他人事のように思った。

あんなに康二のこと叩いてた人たちもいつのまにかめっきり減って、目黒もラウールも、少しずつだけど受け入れられていっていた。

どうにも閉鎖的で、もうこれ以上も以下もなかったように見えていた6人の間にも、文字通り新しい風が吹いた(初めは新しい風ってなんだそれって思ってたけど)。
守るものが3人も増えた照くんは、なんだかすごく大人に見えた。康二が入って早々に、距離感0で受け入れてくれたのは佐久間くんだった。そんな2人にバラエティは任せて、ふっかは少し肩の荷が下りたように見えた。最初は康二の距離感に戸惑っていた翔太くんも、康二のギャグに大口開けて笑っていた。最年少だったあべちゃんが後輩にいじられる図は新鮮だった。弟に甘えられるだてさまは、ちょっと戸惑いつつも嬉しそうだった。


そして、もう二度と埋まることはないと思っていた康二の隣に立ったのは、目黒だった。
るたこじのオタクたちが、少しずつめめこじを好きになって、なんだか傷が癒えていくようなTLをぼんやりと眺めていた。私もたぶんその1人だった。

めめこじというコンテンツのおかげもあって、心配したのがアホらしく思えるほど、みんなあっという間に目黒の沼に落ちていった。(びっくりした。そりゃ顔いいしスタイルもいいし声もいいし根性あるし最高の男だけど、手のひら返すの早すぎないかと思った)


かといって、るたこじも相変わらずで、龍太くんはマウントとってんのか?というくらい、ブログに康二のエピソードやら写真やらを上げまくっていた。もしかしたらそれはファンへの優しさだったのかもしれないけど、ただのマウンティングにしか思えなくて、笑った。
私はちゃんと笑えていた。はらめぐのこと少しずつ、忘れていけそうな気がしていた。


3月。おそらく誰よりも嘉孝が客席で泣いた、亮ちゃんと目黒の舞台「桃山ビートトライブ」の再演が決まった。目黒が務めた役を引き継いだのは嘉孝だった。原で良かった、原が良かったと目黒は言った。その言葉が、嬉しかった。

私が恐れていたようなことは大してなくて、るたこじ同様はらめぐも相変わらずだった。安心した。だからこそ、めめこじが光の速さで距離を縮めていくのが楽しかった。
めめこじ尊いな。2人が出会ってくれてよかった。目黒が康二と一緒にスノに来てくれて良かった、これは素晴らしい運命だ、きっとそうだ、そう思った。


スノにいる目黒は、全ての仕事が新鮮で、慣れなさそうで、でも嬉しそうだった。
私は、それがどうしようもなく嬉しくて、どうしようもなく、寂しかった。


5/6。のべつまくなしの東京千穐楽に、目黒と林くんがきた。

私はその場にいなかったから分からないけれど、カテコで手を繋いで挨拶をしたあと、嘉孝ははけるまでずっと、目黒の手を繋いだまま、決して離さなかったと、レポを読んで知った。
嘉孝がどんな気持ちでいたのかなんて、私には知りようがないけれど、目黒を諦めないという嘉孝なりの決意であればいいな思った。


東京ドームで野球がしたいなんてトンチンカンなこという目黒をみて、バカだなぁと思った。
ねぇ、どうするの。このままさっさとデビューしたらどうするの。宇宙、5人でライブするって言ったのに。
兼任の手前、スノでデビューしたいですなんて、大声で言えるわけないじゃん、でもデビューさせてあげたいじゃん。そんな楽しそうにブログでメンバーの個人仕事宣伝してる場合じゃないよ。
なんで兼任なんかしたの、ねぇ。


6/27。江田ちゃんとこーてぃと一緒に、目黒が桃山の見学に行った。久しぶりに、5人揃った。
(嘉孝は目黒に「5回以上泣かせる」と意気込んでいたけど、目黒が泣いたのは1回だけだった。)
islandtvも更新された。なんとか彼らが「宇宙Six」をし続けようとしていることだけが、ひしひしと伝わってきた。


夏が来ようとしていた。
相変わらず、宇宙の現場はない。


7月末。ご縁があって、スノのサマパラにお邪魔した。この頃にはもう、YouTubeでの9人のスノに見慣れていて、めめこじに日々湧いて、ふかこじに湧いて、康二くん!康二!って名前を呼んでれる8人をみては幸せな気持ちでいっぱいで、とにかく仕事が楽しそうな目黒が可愛くて、いわふかに負けないくらいラウールを可愛がって、毎日毎日、寝ても覚めてもスノの話ばかりしていた。

語彙力皆無で申し訳ないけれど、本当に、頭空っぽになるくらい楽しくて、9人のスノ最高!になった。チョロオタすぎて引いた。でも楽しくて楽しくて、幸せだった。

宇宙Sixで、背の低いみんなに合わせてもの凄く腰を落としていた、少し窮屈そうだった目黒は、長い手足を存分に伸ばして、のびのび踊っていた。

あ、Snow Manの目黒蓮だ

そう思った。好きだなって、素直に思った。
少しの後ろめたさに、見ないふりをした。




8/8、Jr.ドーム。
血眼でチケット探したけど、詐欺みたいなチケツイばかりで疲弊して、何やってんだろ自分って冷静になって、結局家から見た。
何があるとは言われていないけど、何かあることが察せないほど、ぬるい気持ちで追ってきたつもりは無い。

4.7.インチの小さな画面越しでも分かるくらい、異様な空気に包まれていた。なかなか出てこないスノスト。ストは、デビューするだろうと思っていた。
じゃあ、スノは?
期待と不安が綯い交ぜになって、正直言って大して自担の顔なんか見れやしなかった。


次々に、発表がなされていく。個人仕事。グループの仕事。それらが全て前座に思えるくらい、もう空気が違っていた。もうなにも頭に入ってこない。Twitterの文字が追えない。

あ、いくな。

そう思った瞬間に、どでかくスクリーンに映し出された、デビューの文字




それがあまりに9人に相応しくて、目黒蓮に相応しくて、ショックなんてちっともなくて、

「あ、avexなんだ、嬉しいな」なんて、場違いなことだけが、ぽっかり頭に浮かんだ。




兼任という二文字をみたあの日から、もう半年も経っていた。あの日からずっと、いつかこういう日が来ることは分かっていた。みんな知っていた。
いつか、目黒が選ぶ日が来る。
どちらかがデビューするときは目黒がもう片方を卒業するときで、それはおよそ間違いなくスノでのデビューかつ宇宙からの卒業だということを、悲しいけれど分かっていた。初めからタイムリミットが決まっている兼任だった。

なんで兼任にしたんだろうって、ずっと考えていた。だけどそもそも、目黒が決めたことなのか、結局分からずじまいだった。きちんとお別れができるような5人の現場の予定はなかった。作ろうとしていたのかもしれないけど、そんなの彼らが決められることでは、ないのだから。


デビューを告げられた時、目黒は、一つの迷いもなく、真っ直ぐに拳を突き上げた。
曇りのない目だった。前だけを見ていた。



5人の宇宙Sixにとって最後のステージが始まった。先輩にもらった、大切な持ち曲。
UNIVERSEの最後、みんなが目黒を囲んで、背中を押すようにして触れていた。
みんな、笑っていた。

目黒は、「宇宙最高!!!!!」って、叫んだ。胃の底から沸き上がるような、がなるような声だった。

その言葉に少しの嘘もないと、そう心から思えた。何とも美しい、最後のステージだった。



次の日になって、islandTVが更新された。
あ、これがお別れの動画なんだなって、サムネを見てすぐに悟った。
ごめんね、1000日目だったなんて、ちっとも知らなかった。

嘉孝が、「俺らの関係は変わんねぇから」って言った。変わらないなんて、そんな訳ないんだけど、嘉孝がそういうのなら、そうなのだと思った。


私は、8.8のレポを回収していた。数えきれないほどのレポの中でも、ちらほら宇宙のレポをみつけた。すれ違うとき、メンバーと目黒がハグをしていたこと。
Twitterとは便利なもので、目黒は誰よりも長く、嘉孝と抱き合っていたよ、と名前も知らない誰かが教えてくれた。
嘉孝の気持ちも、目黒の気持ちも、なんにも知らないけど、私にとってはそれが世界の全てで、たった一つの救いだった。

はらめぐのオタク、成仏しよう。そう決めた日だった。



季節が巡るのは本当にあっという間で、気づけば秋になった。
待ちに待った、宇宙の単独コンサートが決まった。グローブ座なんて舐めてるのか知らないけど、当然外れた。某サイトじゃ4万を切らないし、そもそも数が少なすぎてTwitterでも見つかりそうにないし、私のスケジュールの問題もあり、ちょっと行けそうにもなかった。

目黒は見に行くのかな、客席の目黒に、4人の宇宙はどう映るかな、どうせ見学席でも頭一つ抜けちゃう目黒を見つけて、嘉孝はなにを思うかな、ステージで泣いたらだめだよ。なんて思ったけど、目黒にそんな暇はなかった。そりゃそうだね。


冬になった。

あっという間に、デビューのその日はやってきた。
私はもうとっくのとうに、目黒に心からのおめでとうを言えるようになっていた。

そして、のべつ改。4人の宇宙Sixに会いに行った。

大切な仲間をスノに送り出した者同士、龍太くんと宇宙が同じ舞台に立つというだけでも不思議な巡り合わせなのに、康二の隣にいた龍太くんと、目黒の隣にいた嘉孝が、どんどん仲良くなるのは、なんだか運命的だなぁと思った。

どちらも自分の推しだからそりゃそうなのかもしれないけれど、康二と嘉孝はちょっと似ている。メンカラオレンジってこうだよね、の人。
康二が目黒に懐いた(懐いた?)ように、嘉孝が龍太くんに懐いた(懐いた。)のはすごく自然なことだなと思った。

舞台は、月並みすぎる言葉だけれど、本当に素晴らしかった。この感想を書くと一本のブログになってしまうので割愛するけど、「目黒のいない宇宙Six」なんかじゃなくて、ちゃんとこれが「宇宙Six」だと思えた。のべつは役が当て書きだから、どうにも、台詞の端々から、4人の宇宙Sixとしての決意のようなものを感じ取ってしまって、ただただしんどくて、でもしんどいだけじゃなくて、ああ、強いな、かっこいいな、ついていこうって、そう思えた。

最年少になった嘉孝は、めちゃくちゃ頼もしくて、演技が上手くて、歌が上手くて、ダンスが上手くて、めちゃめちゃ輝いていた。

はらめぐの嘉孝じゃなくて、原嘉孝という一人のアイドルのファンになれたことに、酷く安心した。




気づけば一年経っていた。
加入発表からデビューまで。私がスノの話をする時の主語はおよそ全部「康二」だったけど、その康二の隣にいた目黒を見ながら、いつもどこかで嘉孝のことを考えていました。
嘉孝、大丈夫かな。悲しいかな。悔しいかな。辞めたりしないかなって。

それでも、やっぱり私の愛したアイドルは、どこまでも強くて、私がうじうじ悩んでる間にも、どんどん前に進んでいた。

変わっていくことはたくさんある。夢を掴むのはほんの一瞬のタイミングで、そのために足踏みしている時間はない。
そして、変わっていくものの中で、変わらないものもあるらしい。肩書きが変わろうと、場所が変わろうと、変わらないものがあるらしい。

それを教えてくれたのは他でもない、嘉孝と目黒だった。



はらめぐが好きでした。
宇宙担なんて名乗れるほど追いかけなかったし、嵐のコンサートでうちわを持つことだってしなかったけど。
それでも、はらめぐが、大切で、大好きでした。


嘉孝は、「はらめぐはもう存在しなくなった」と言った。目黒は、「終わったんだと思う。でも俺は出会った日からずっとライバルだと思ってるから」って言った。

私ももう、はらめぐの未来を考えることはないと思う。過去にすがることもしたくない。

だけど、はらめぐは、確かにそこにいたから。
終わっちゃったけど、ふたりがふたりでいた時間は決して消えることはないから。

これからも、2人はずっと変わらず同期で、変わらず友人で、変わらず、永遠にライバルです。






目黒蓮くん、デビューおめでとうございます。

私の大好きな原嘉孝くんが、大変お世話になりました。

私の大好きな向井康二くんを、これからどうぞ、よろしくお願いします。





先の見えないこの宇宙で、はぐれないように、迷わないように、
決して繋いだ手を離さなかった嘉孝は、今度こそその手で、夢を掴みとるのかな。
ねぇ、嘉孝、君の夢はなんですか?
こっそりでいいから、今度教えてね。

小さな痛みさえ分け合うことが僕の願い

ふまけんがサシメシに行きました。
ツーショをください。


サシメシと、少し遡ってツアーとsexy冠のふまけんのこと。これからのセクゾのこと。

・サシメシ
十年以上ずっとシンメだったのに初のサシメシ…?
さすがにいってると思ってたけどそうでもなかったらしい。

大尊敬する兄貴に教えてもらったおしゃれなお店をさも行きつけみたいに紹介する風磨、かわいいなぁ。健人くん喜んでたけど、いっつも樹とか安井くんとかと(きっと)行ってるような庶民的な居酒屋(知らんけど)のほうがたぶん、健人くんは喜ぶと、思う。

中島健人という人間は私生活もいろいろ浮世離れしていて、風磨を通して普通を知っているような気がする。嬉しかったのはたぶん、店が良かったのもあるけど、菊池がいつも使ってる店に自分が連れてってもらえたんだ、って思ったからだと思う。

オタクの中では2016が雪解けだけど、ふまけんにおける健人くんは未だに距離をはかりあぐねていて、そりゃ(2016より前だけど)雑誌で泣くほどには菊池に距離置かれるのがしんどかったんだから、菊池のテリトリーに入れてもらえたんだって思ってきっと、めちゃくちゃ喜んだよ。

風磨のことになるとめちゃくちゃ臆病になったりちょっとしたことでめちゃくちゃ楽しそうにしたり振り回されてる健人くんは、かわいそうでかわいい。


同世代のJr.とよく遊んだり地元の奴らとも飲んだり、そういう風磨にとっての、というか20半ばの男性にとっての普通が健人くんにはあまりない。
最近はそうでもないけど、前は風磨がよく仲間と海に行く話を知っていて、ちょっと羨ましそうに、今年も菊池は海に行くの?とか雑誌で聞いてた健人くん
風磨が大事にしているエモい青春みたいなものに自分は入れてもらえないと思っていただろうし、そういういろんなことを未だに引きずっていて飲みにも誘えなかったのかと思うと、やっぱりかわいそうで、かわいい

風磨は風磨で、中島をそいつらと一緒にするのは違う みたいな、変に神聖視しているのがたまに発言の端々にみえる。フツーの、洒落てもいない居酒屋なんて一生連れてけないのかもしれないな。
何も知らない人からしたらたかがサシメシ、歌番組で照れながらする話でもなんでもないのに、ふまけんはオタクに見守られすぎだし、十年もかかったなんて笑っちゃうよね(でもオタクの脳内には100本くらいあるよねその話)


・ちょっと遡ってペジ魂
PAGESオーラスの風磨のご当地ラップ、それまでは失恋系の歌詞が多くて、オタクとふーまくんのエモい擬似恋愛を楽しめる的なやつだったのに、突然中島ァ登場して、浜辺で仲良くツーショ、しかも全然失恋の歌詞じゃなくて、全オタクはやはり中島ァには勝てない。
歌詞載せてくれている人達(盗聴じゃないことを祈っている)ありがとう さすがに全部はわからんので早く円盤だしてね

あの日の事覚えてますか/僕は上手いこと踊れてたかな/おどけた〜(?) 溺れた魚/白良浜口ずさむLaLaLa/ただただ笑ってくれた君/円月島夕暮れが僕らの日々/二進も三進も行かなくなって/無言のまま眺めた雑賀崎/グリーンソフト奢り奢られて/ふざけすぎてはまた怒られて/大人に〜(?) 切符 買ってスキップ/めでたい電車の色味が好きっす/終点の加太の港/気づけばもう日が落ちそう/もし今日が終わったとしても/一生一緒に遊んでくれよ

風磨、お前は三木道三か?
あの日ってどの日だよ、「ねえこの振り分かりますか?」「僕も全然わかんないっす」の日ですか?
あまりにエモくて、あぁあのウェルセクのぎこちないマワミラ自撮りからこんなところまで来たんだなぁと思って、電車でうっかり泣きそうになった。

ふまけんが海かぁ。
なんか、よかった。サマリー休演日に海行った風磨くんを羨ましそうにしてた健人くん、風isIでふまストの海での青春にめちゃくちゃ嫉妬した健人くん、ご当地ラップ撮影一緒に行きたい!って言ってたのにオーラスまで誘われなかった健人くん、最後の最後にちゃんと誘われて、きっと眩しく思っていた風磨の青春に混ぜてもらって、よかったね

(一生一緒にあそんでくれよ、なんて、プロポーズかと思っちゃった)


・遊びたかったふまけんとsexy冠
普通に考えて60時間監禁されてシンメでダンス踊り続けるって気が狂ってると思うけど、最後の一曲でかなり苦戦して追い詰められてて、時間的にもラストチャンスって時に、健人くんが「そういえばこれあれだったわ、遊びだわ」って言って、風磨も「そうそうこれ遊び」って言って、それからの一発で本当に決めるふまけん、マジでふまけんすぎて笑っちゃったよね

最後のインタビュー



ふまけんって雪解けしたと思ったらあれそうでもない、っていうのを散々繰り返してるけど、だんだん大人になっちゃって結局ビジネスにしか落ち着けなくて一生友達にはなれない感じがあった。だから、あぁなんかやっと普通の、シンメとかそういうの置いといて普通に友達になれたのかなぁとここ半年くらいで思う。

8.25からのふまけんは雪解けした上でのビジネスイチャイチャシンメ、って感じだったし、シンメ厨としては散々沸かせてもらったけど、これからはやっと友達を始めてくれるのかな、なんて思ったらワクワクするね

どっちかが丸くなったとかじゃない、譲ったとかじゃない、ふたりともちっとも丸くなんてなってないし、永遠にライバルだけど
それでも、その棘も傷も全部剥き出しのまま、抱き合えるようになったのなら、もう怖いものなんてないな。

ラフ会のひとつがふまけんサシメシになってほしい。健人くんがもっと素でいられて、風磨ももっと健人くんをいい意味で雑に扱ってあげてほしい。

ジャニーズじゃなきゃ一瞬も人生交わらなさそうな2人がステージ上で信じられないくらい通じ合ってるのも好きだけど、ありきたりな友達みたいな2人でいてほしい。



24時間テレビくらいから少しずつ健人くんが完璧じゃない自分を見せるようになって、あぁセクゾもここまで来たのか〜〜と、最近なんだか親の目線になってしまう。
セクゾってさ、ずっと外を向いてやってきたグループだから、嵐みたいに、ずっと内側を向いてやってきてそれが仲の良さとして売れたのとは違うから、
嵐の深夜番組とかJr.のYouTubeみたいにラフにいられる仕事が少ないから、どんどん個人売ってって仕事つかんでグループの知名度あげてるのは凄いことだけど、仲良いけど、腹割って話せるような関係じゃなかったと思う。
セクチャンも今ならもっと肩の力抜いてやれるだろうけど、あの頃はきっともっと必死で、子どもで、かわいい顔してめちゃくちゃビジネスだった。


聡ちゃんが活動休止したことでやっと内側を向くようになったなら、それはほんの少しだけよかったのかもしれない(いやめちゃくちゃ寂しいから早く帰ってきてほしいけど)。

週3とかで聡ちゃんとご飯いってた勝利が少しずつそのラフな関係をセクゾ全体に広げていってほしいし、マリちゃんももうとっくに大人だし、なんなら一番視野が広いかもしれない。ふまけんもやっと本当の意味でフラットな関係になって、きっとこれからもご飯とかいくんだと思う。
ここに聡ちゃんが帰ってきたらたぶん、いよいよSexy Zone、始まるかな


まだまだいくよ。



オタクってインプット激しくてアウトプットしてないと死ぬ生き物だからまた謎考察をしてしまいました

とりあえず、おわり

また明日も変わらぬ陽が昇るように

 

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たった16歳の男の子と永遠を誓った夏のはじめの話

眩しくて残酷な未来のアイドルの話

HiHi Jetsと、猪狩蒼弥くんの話。

 

臆病な私は、まだたったの16歳の男の子の夢を、一緒になって信じるなんてそうそう簡単にできる事じゃなくて、それでも覚悟決めて、やっとの思いで会いに行った。

忘れたくないので、忘れないうちに、残しておきます。

 

長らくデビュー組のオタクをしていた人間が、じわじわとしかし確実にJr.の沼に足を踏み入れ、今では掛け持ち上等のJr.担になったのは、確実に少年倶楽部という番組のおかげ(せい)だ。毎週見てた時もあれば見ない時期もあり、推しがいたりいなかったり、まあデビュー組の傍らで何となく見ていた。

Jr.なんか推さないと思っていた、というか、決めていた。辛いのが目に見えていたから。でもオタクというのはチョロい生き物だから、毎日が戦場の中でキラキラ輝いて笑顔でステージに立ち、振り落とされないように必死にしがみついて日に日に成長していく姿にすっかり目を奪われ、気づけば息をするようにPay-easyして情報局に入っていた。少クラというのはつくづく罪な番組だと思う。

せめてもの抵抗に、弟組は推さないと決めていた。だって年下じゃん、子どもじゃん、なんてのはわりと建前で、単純に怖かった。

今残っている兄組(という言い方ももはや薄れてきたが)の子達は、高校卒業だの成人だの大学卒業だの、そういう人生の岐路をもう幾分か乗り越えてきた人達で、振付ミスったくらいのかわいい失敗から笑えもしないスキャンダルまでまぁそれなりに、酸いも甘いも経験し、その上でジャニーズJr.という先の見えない世界に身を置くことを選んだ人達だ。そんな兄組でさえ、何があるか分からないのに、あんなまだ若い子達にこの先何が起こるか分かりやしない。本気で好きになって追いかけて、ある日忽然と姿を消したとき正気でいられる自信がなかった。大学へ行く子も随分増えてきた今、他の夢を見つける彼らの背中を押せる自信なんて無かった。スノスト(ラブ)トラをメインに見て、弟組は薄目でぼんやり見ていた。

 

なのに、そんな私の薄目をこじ開けて来やがった奴がいました。なんだか治安の悪い雰囲気で、そのくせ妙に色気のある子で、いかにもくせ者担当に当てられる様な衣装を着て、妙にこなれたラップを披露して、アイドルスマイルで特にこちらに媚びる様子もなく、まぁ俺こんなんですけど、どう?推す?みたいな小生意気な顔して去って行きました。

 

あんまりに衝撃的すぎて、速攻で調べた。

猪狩蒼弥くん、といった。


HiHiのこと、猪狩蒼弥くんのこと、ひと通り調べて、あぁなんか沼の予感がするなと思った。

猪狩蒼弥くん。クソ生意気なやつだと思っていたのに、妙に思慮深くて育ちの良さが隠しきれていなくて、オラオラ系かと思ったら意外とかわいいヤツ。だけどパフォーマンスになったらやっぱりヤバイやつで、法定速度ぶっちぎりで我が道を行くような、批判も丸ごと燃料にして飛んでいくような、とにかく強くて賢くて逞しいやつだった。猪狩蒼弥、よくない?HiHi、よくね?と思い始めた。ウワー、これはだめだ、さっさと逃げろ、と脳内が危険信号を出していた。

でもそういうときにはもう遅くて、今までそうやってどんどん推しを増やしてきたのに、あーあ、また増やしちゃったよ。困った。

私の周りには嵐担だのNEWS担だのセクゾ担だの、WEST担だのスト担だのすの担だの、とにかくいろんなオタクが居たけど、中高生の子達を推してるオタクはあんまりいなかった。


どうしようもないので、とりあえずネタとして猪狩蒼弥推してます(笑)こんなやついるんすよ(笑)みたいなテイで遠回しに布教してみることにした。こんなヤツいるよwwって紹介してついでに猪狩の話をしたい欲を満たしてみたりした。だけどやっぱり無理だった。知ってる、こういうときは、ヤバイと思ったらもう引き返せないのが世の常である。

悔しい。なんだかぶすくれた顔の子がいるな〜(失礼)くらいで見てたはずなのに、気がつけば我が物顔で自担の座に居座っていた。

 

それからはわりと吹っ切れて、HiHiいいよ〜猪狩蒼弥いいよ〜と全力でダイマして回った。

なんで猪狩?とか鼻で笑われることもあったけど、10年前大野智が好きだと言ったわたしに同じ顔をした人たちは山ほどいたし、そんなのもう慣れっこだし、かといって猪狩くんが私だけのものであるわけもなく、いざ現場に行けばファンサを勝ち取るのは戦争だった(どこに潜んでいた?猪狩担よ)。アイドルらしくないから好きなのかと言われることもあるし、たしかに一理ある、だけど最近じゃもう彼のやることなすこと全部輝いて見えて、なにをしていてもかわいくてかっこよくて、寝ても覚めても猪狩蒼弥、口を開けば猪狩蒼弥、好きな四字熟語は猪狩蒼弥、そんな毎日になった。大丈夫か?


この世に敵なんか居なさそうな顔をしていると思う。明るい未来しか見ないような強い目をしているなぁと、思う。

だけど、その一方で、ふと猪狩くんの、HiHi Jetsの未来を想像するとき、彼らの思い描く未来を垣間見るとき、なんだか、どうしようもなく切ない気持ちになる。

 


応援するからには、目指す道のあいだには当然デビューがあって、それはすべからく、この5人でのデビューであるべきで

未来永劫5人が5人でいられることが何よりの願いだけれど。

 

彼らが描く未来は、彼らがわたしたちに誓う永遠とやらは、まるで不確定で儚い。

Jr.である彼らの置かれている場所は、薄氷の上のように不安定で脆かった。

 

 

今年の1月、嵐が、活動休止発表をした。ファンになって、かれこれ十年が経っていた。

衝撃だった。永遠なんてないって分かっていたつもりだったけれど。

彼らはその後の会見やライブで、繰り返し、「休止であって解散じゃない」「まだまだ見せたい景色がある」そう言ってくれた。

それでも、アイドルは永遠じゃないという、ごくごく当たり前の、しかし目を背け続けていたことを理解するには、十分すぎる出来事だった。

 

比べるわけじゃない。積み重ねてきた年数も違えば状況もなにもかも違うけど、彼らですら、"永遠"を揺るがしたのに。

あんな若い男の子たちが言う永遠なんて、やっぱりちっとも信じられなかった。信じたくなかった。

毎週の少クラが生きがいで、Island TVでまだ歌声も知らない男の子にも興味が出てきて、今までほとんど目を向けなかったツアーバックの子達にもオペラグラスを向けるようになった。

でも、その彼が明日もいる保証なんてどこにもない。オタクは察しがいいから、少しずつ減っていく露出だったり、ステージで見せた違和感のある涙だったり、そういうもので、あぁ、そういうことなのか、なんて察しているけれど。公式からは「退所しました」の事後報告すらない場合がほとんどだ。辞めないでいてくれるだけで御の字なのだろうけど、先週まで一緒のお下がり衣装をきていた子達が今週じゃ違う衣装を着て全然違う立ち位置で踊っている、なんてことが平気で起こる。もう何年も、ずっと一緒にやってきたグループですら、ずっと同じメンバーでいられる保証などどこにもない(私は拒む方が辛いからもうとっくに受け入れてしまったけど、いくら雑誌を読み漁ったって、本当のことなんかひとつも知れやしない)。

ジャニーズJr.という場所において、彼らには、絶対のぜの字も永遠のえの字もクソもない。

当然望む未来は"このメンバーでのデビュー"だけれど、そんなこと、とてもじゃないけど大声で言えることじゃなかった。

 

 

猪狩くんを好きになって、先日、ようやく現場に足を運んだ。まだ5月のくせに馬鹿みたいに暑い日だった。3時間くらい前からずっとドキドキしてぼーっとしていて、暑さのせいなのか猪狩くんのせいなのかよく分からなかった。

ライブは、もう記憶なくなるくらい楽しくて、幸せで、ありがたいことに通路横だったから、ハイタはするわ質問コーナーで何回も横通るわでもうなんだか吐きそうだった。猪狩くんはわたしの思った通り、どこまでもぶっ飛んでいて、それでいてどこまでもアイドルだった。たった16歳の少年が、世界を焼き尽くすような強烈な光と熱を持ってしてそこに立っていた。あの瞬間、この世の中心は間違いなくあの日比谷の一角に存在していた。

 

あっという間の一時間半、猪狩くんが最後になにを言うか、さすがに知っていたし、覚悟もしていた。でも、やっぱり生で聞いたら全然だめだった。

 

猪狩くんは、舞台の幕が降りる最後に、必ず叫ぶ。


「皆さんこれからも俺たちについてきてくれますか!皆さんがついてきてくれたら、俺たちずーーっと5人でいれるんで!何年先も何十年先でもずーーっと5人でいるから!!だから何があっても一生ついてきて下さい!」

 

そう、毎回毎回、言霊みたいにいう。


呪いだ、と思った。

そんなこと言わないで欲しかった。Jr.は永遠じゃないって、物分かりのいいフリしてあげてるんだから。いいんだよ、たとえ明日君がジャニーズから姿を消したって、たとえ何年先の未来で、君と一緒にデビューするのがこの4人の誰とでもなくたって、わたしは君を責めることなんてできやしないのに。

 

それなのに、そんなオタクに喝を入れているようにすら思えたその叫びは、帰りの飛行機でも、JRでも、寝ても覚めても、頭から離れなくて。あぁもう完敗だ、そう思った。

 

わたしは、生身のアイドルの良さの一つを、ものすごく簡潔に言えば、諸行無常であるからこそのエモさだと思っていた。桜は散るから美しいとか、永遠でないと分かっているからこそ今が強く輝いて見える、そういう日本人お得意のそれだと思っていた。というか、今も思っている。

それはそれで正解なんだと思う。だってきっと、そういう商売だから。

だけど、あの日の猪狩くんの叫びは、そんなありきたりなエモさを享受するための餌になるなんてあまりに失礼なくらい、本気で5人の未来を、永遠を信じていた。

 

いつからだったんだろう、猪狩くんは、まるで何かを確信したかのように、「5人で」というようになった。

猪狩くんだけを好きでいられたら、まだ良かったのかもしれない。こんなに、いつか来るかもしれないその日を恐れなくて済んだかもしれない。単推しなら、この先何があろうと、万が一ジャニーズじゃなくなったとしても、猪狩くんが幸せになれば私も幸せだったかもしれない。でもそんなこと、誰よりも猪狩くんが許してくれなかった。

 

ずるいな、とおもった。

 

好きでいることに、すこしだけ絶望した。

 

銀座の、空港行きのバス停で、一人でちょっとだけ、泣いた。

 

 

先日の少クラでのエンディングで、HiHi JetsがOne Loveを歌った。前回4人で歌った時からたった一年半しか経っていないのに、顔つきも声もめちゃくちゃ成長していて、少年の成長ってつくづく恐ろしいなと思う。

 

冒頭のセリフは、

優斗「これからも皆さんのことを愛し続けます」
橋本「これからも愛し合っていきましょう」
猪狩「僕はもうあなた無しじゃ生きていけないみたいです」
作間「どんな時でもあなたの心に寄り添います」
瑞稀「ねぇ、好きになっていいかな?」

 

いやぁ、恋じゃん。と思った。100年先の愛を誓われてしまった。キモオタなので思わずにやけた。

そして、やっぱりまた少しだけ、怖くなった。

 

5人で、スタンドマイクを前にして歌う姿が、ちょっとだけ、ドームに5人で立つ嵐に重なって見えた。私はもうとっくにドームの景色を知っていて、彼らが私たちに見せたい景色があるように、私にだって、彼らに見せてあげたい景色が、山ほどある。  

 

あのわちゃわちゃした新衣装をみて、クリエのことをまた思い出した。

あの日、会場を見渡す彼らの瞳の中には、確かに未来があったこと、そのあまりの眩しさに、思わず目を背けたくなったこと、でもやっぱり、その未来を見せてほしいと思ったこと。

 

オーラス、「これからも俺たちと、馬鹿な夢見てくれますか?」って言ったんだってね。

馬鹿な夢だなんて猪狩くんに言われたら、もう馬鹿にすることもできないじゃん、本当にどこまでもずるくて、強い人間だと思う。

臆病なオタクでごめんね、人間、大人になるにつれてどんどん臆病になるんだよ。でももうとっくに沼にはまっていて抜け出せそうにもないから、日に日に好きになることの恐ろしさをお酒で誤魔化しながら、今日もまた彼らを好きになることを楽しんでみようかな、なんて思う。

猪狩くんと、みんなと、馬鹿な夢、みてもいいかなー

 

 

Jr.は、私がきちんと知っているここ数年だけでも、目まぐるしく環境が変わった。ほんの数分目を離したSNSを次に更新したときには、そこは私の知らない世界に変わっている、そういうことが往々にしてある。

生き残るために、それぞれの戦い方を選んでいると思う。彼らの決断を知るたびに少しずつ傷ついて、立ち直ったフリをして、うじうじと文句を言って、それでもとっくに前を向いている彼らに気づくたび、どうしたってまた好きになってしまうな。

 

申し訳ないことに、Jr.だけでも沢山のグループを応援していて、でもデビューできるのは一握りだということもわかっている。たとえ次に彼らの夢が叶わなかったとしても、わたしは夢を叶えた別のグループの元へ駆けつけて「おめでとう」を言うんだと思う。浮気性でごめん。

 

それでも、私はHiHiとの夢を少しも諦められない。オタクはつくづく貪欲で、我儘で、諦めが悪い生き物なので。

 

だってもうハイハイ!って言っちゃったんだから仕方ない。

明日のことなんかひとつも知らないくせに、遠い未来を信じて疑わない、猪狩蒼弥という人間と、彼が愛してやまないHiHi Jetsに

あの馬鹿みたいに蒸し暑い日のクリエで、一生ついていくだなんて、馬鹿な約束をしてしまったんだから。

 

 

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「最後に。これからも俺たちのこと、ずーーっと愛してくれますか!」

 

答えなんて一つしかないくせにね、